オーストラリア手取り計算機
オーストラリアの給与は年額で交渉されますが、実際の支給は週給か隔週です。その差の内側で効いているのが税務上の居住区分・Medicare levy・学生ローンの3つで、この計算機は2026-27会計年度の週給と年間手取りの両方を示します。
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入力
7月1日から6月30日までの、税引き前の年間総支給額です。
税務上の居住者かどうかは国籍やビザの種類とは別の判定です。実際にどこで暮らしているかで決まります。非居住者は税率表が異なり、無税枠がありません。
学資・職業訓練ローンの残債がある場合、所得が返済開始基準額を超えると所得税に加えて強制返済額が天引きされます。
結果
- 週の手取り額
- 1,359A$
- 年間手取り額
- 70,680A$
- 控除合計
- 19,320A$
- 所得税(控除後)
- 17,520A$
- 低所得者税額控除(LITO)
- 0A$
- Medicare levy
- 1,800A$
- HELP/HECS返済額
- 0A$
- 結果
- これは2026-27年度のATO税率に基づく概算です。Medicare Levy Surcharge・superannuation・その他個別の控除は含みません。
resident income tax 17,520 − LITO 0 = 17,520; + Medicare levy 1,800 + HELP 0 = 19,320; net annual 70,680 → weekly 1,359
内訳
各項目が全体に占める割合です。
- 年間手取り額
- 70,68078.5%
- 所得税(控除後)
- 17,52019.5%
- Medicare levy
- 1,8002%
計算の仕組み
計算式手取り額 = 年間総支給額 −(居住者の場合、LITO控除後の所得税)−(居住者の場合、Medicare levy)−(該当する場合、HELP/HECS返済額)。週給 = 年間手取り額 ÷ 52。
オーストラリアの会計年度は1月ではなく7月1日に始まり翌年6月30日に終わります。2026年8月に受け取るオファーはすでに2026-27年度の途中にあたり、この計算機の税率は2026年7月1日から2027年6月30日までの所得に適用されます。給与は年額で語られることが多いものの、実際の支給は週給または隔週が一般的なため、この計算機は年額に加えて実際に口座に入る週給(年間手取り÷52、オーストラリアの標準的な給与計算方式)も示します。
税務上の居住区分と税率
税額は税務上の居住区分によって大きく変わります。これは国籍やビザの種類とは別の判定で、実際にどこで暮らしどのような滞在かで決まるため、この計算機が代わりに判定することはできません。居住者は最初の18,200ドルが無税、以降45,000ドルまで15%、135,000ドルまで30%、190,000ドルまで37%、それ以上は45%です(ATOの2026-27年度居住者税率表で確認済み)。第2区分が16%から15%に引き下げられたのが2026-27年度の主な変更点です。非居住者はまったく異なる税率で、無税枠自体が存在せず最初の1ドルから課税され、135,000ドルまで一律30%、以降は居住者と同じ上限で37%・45%になります。確認時点でATOの非居住者ページに掲載されていた最新の表は2025-26年度のものでした。非居住者にはそもそも2026-27年度で変わった区分がないため、そのまま据え置いて適用していますが、ATOが2026-27年度専用の表を公開した場合は再確認が必要です。
所得が少ない居住者にはさらにLITO(低所得者税額控除)が適用されます。税率区分の計算後に別途差し引くもので、課税所得37,500ドル以下は最大700ドル、37,501〜45,000ドルは1ドルごとに5セント逓減、45,001〜66,667ドルは1ドルごとに1.5セント逓減し、それを超えるとゼロになります。LITOは税額をゼロ未満にはできず、居住者専用の控除のため非居住者には適用されません。
Medicare levyと学生ローン
Medicare levyは公的医療制度の財源として課税所得の2%を徴収する、所得税とは別建ての制度です。単身者で一定の低所得基準(直近確認できたATOの数値で28,011ドル)以下の居住者はlevyがかからず、その基準からおよそ1.25倍(35,013ドル)までは基準超過分の10%で段階的に導入されます。非居住者はMedicare制度自体を通常利用できないためlevyの納付義務がありません。よく混同されるのが、Medicare levyとMedicare Levy Surcharge(MLS)の違いです。levyはほぼ全員が対象ですが、surchargeは民間の病院保険に未加入の高所得者にのみ課される追加負担(1〜1.5%)で、公的制度への負荷を減らす目的の別制度です。この計算機はlevyのみを反映し、保険加入状況を入力しないためsurchargeは範囲外です。
HELP・HECS・VET学生ローンなどの債務がある場合、所得が返済開始基準額(2026-27年度は69,528ドル)を超えると強制返済が天引きされます。2025-26年度からHELPは限界税率方式に変わり、基準額を超えた全額に単一税率をかけるのではなく、各区分の所得部分にだけその区分の税率を適用します。69,528〜129,717ドルの部分に15%、129,717〜186,050ドルの部分に17%、それ以上は総所得の一律10%です。この計算機は正式な「返済対象所得」の代わりに課税所得をそのまま使っており、免税外国所得などの加算項目は反映していません。
この計算機が含めない項目
あえて含めていない点も2つあります。Superannuation(雇用主が積み立てる退職年金、2025年7月1日の最終引き上げで通常所得の12%)は、契約書に「superannuation込み」と明記されていない限り給与に上乗せで雇用主が負担するものであり、通常は手取りから差し引かれないためここでは計算に含めていません。417・462ビザのWorking Holiday Makerはさらに別の税率(45,000ドルまで15%、以降は居住者と同じ上位区分)を使いますが、この計算機の居住区分の選択肢にはないため計算対象外とし、確認時点で最新のATO表に基づく参考数値として本文で触れるにとどめます。
日本の制度との違い
日本と大きく違うのは、年末調整にあたる仕組みがないことです。会計年度が6月30日に終わったあと、給与所得者もそれぞれtax return(確定申告)を出して精算します。毎月のPAYG withholdingはあくまで前払いで、還付を受けるか不足分を納めるかは申告の結果で決まります。この計算機が示す年額は、月々の明細よりも申告後の姿に近い数字だと考えてください。
最初の給与の前にも手続きがあります。Tax file number declarationで勤務先に税務番号(TFN)を伝え、その勤務先で無税枠を使うかどうかを申告します。TFNが28日以内に提出されない場合、ATOは居住者に47%、非居住者に45%を源泉徴収するよう雇用主に求めています。最初の明細だけ極端に手取りが少ないのは、たいていこれが理由です。無税枠は原則として同時に1か所からしか使えないため、掛け持ちで両方に申告すると申告時に不足分を納めることになります。
年金の扱いも押さえておきたいところです。日本年金機構の一覧では、オーストラリアは保険期間の通算まで含む協定国に入っています。駐在中の二重加入を避けつつ、加入期間を将来の受給資格に生かせる余地があるという意味です。一方でスーパーアニュエーション(雇用主が積み立てる退職年金)は日本の厚生年金と違って本人名義の個人口座であり、オーストラリアを恒久的に離れる際には一定の条件のもとで払い戻し(Departing Australia Superannuation Payment)を請求でき、その受取には別途課税されます。
契約交渉での使い方
この試算は、契約交渉の目安として使うのがいちばん実用的です。結果を大きく動かすのは2つ、選んだ居住区分(無税枠とMedicare levyが同時に変わります)と、学生ローンの返済が実際に天引きされているかどうかです。そして契約書の年額が「superannuation込み」かどうかを必ず確認してください。同じ数字でも、12%が上に乗るのか中から抜かれるのかで手取りが変わります。
| 年収(A$) | 週の手取り額(A$) | 年間手取り額(A$) | 控除合計(A$) | 手取り率(%) |
|---|---|---|---|---|
| 50,000 | 841 | 43,730 | 6,270 | 87.5 |
| 60,000 | 969 | 50,380 | 9,620 | 84.0 |
| 70,000 | 1,098 | 57,080 | 12,920 | 81.5 |
| 80,000 | 1,228 | 63,880 | 16,120 | 79.8 |
| 90,000 | 1,359 | 70,680 | 19,320 | 78.5 |
| 100,000 | 1,490 | 77,480 | 22,520 | 77.5 |
| 120,000 | 1,752 | 91,080 | 28,920 | 75.9 |
| 150,000 | 2,124 | 110,430 | 39,570 | 73.6 |
よくある質問
- なぜ月給ではなく週給で表示されるのですか?
- オーストラリアの給与は年額で語られますが、実際の支給は週給または隔週が一般的で、比較にも週給がよく使われます。この計算機は年間手取り額を52で割り、標準的な給与計算方式に合わせています。
- Medicare levyとMedicare Levy Surchargeの違いは何ですか?
- Medicare levyは公的医療制度の財源としてほぼ全ての居住者が納める課税所得の2%です。Medicare Levy Surchargeは、民間の病院保険に未加入の高所得者にのみ課される別の追加負担(1〜1.5%)です。この計算機はlevyのみを含み、surchargeは含みません。
- なぜsuperannuationがこの計算に含まれないのですか?
- Superannuation Guarantee(2026-27年度は通常所得の12%)は通常、契約給与に上乗せして雇用主が負担するもので、給与から天引きされるものではありません。契約書に「superannuation込み」と明記されている場合のみ、実際の手取りが減ります。
- HELP/HECS債務があります。返済額は正確に計算されますか?
- この計算機は正式な「返済対象所得」の近似として課税所得をそのまま使っています。免税外国所得など一部の加算項目は反映していないため、給与以外の収入が大きい場合はATO公式の計算機も確認してください。
- 非居住者の税率が居住者と大きく異なるのはなぜですか?
- 非居住者は居住者にある18,200ドルの無税枠がないため最初の1ドルから課税され、通常Medicare制度を利用できないためlevyの納付義務もありません。税務上の居住区分は国籍やビザの種類ではなく、実際にどこで暮らしているかで決まります。
- 最初の給与で半分近く引かれていました。何が起きたのですか?
- ほとんどの場合、Tax file number declarationが未提出です。TFNが28日以内に提出されないと、ATOは居住者に47%、非居住者に45%を源泉徴収するよう雇用主に求めています。これは前払いであって最終的な税額ではないため、多く引かれた分は確定申告で戻ってきますが、書類を早く出せば資金繰りの問題自体が起きません。
- オーストラリアで働いた期間は日本の年金に通算できますか?
- 日本年金機構の一覧では、オーストラリアは保険期間の通算まで含む協定国に分類されています。英国・韓国・中国・イタリアのように二重加入の防止だけを定めた協定とは異なり、駐在中の二重負担を避けたうえで、加入期間を将来の受給資格の判断に生かせる余地があります。具体的な扱いは滞在形態によって変わるため、渡航前に確認しておくのが確実です。
この計算に使用した数値
この計算機が現在適用している時点依存の数値です。各値について出典と最終確認日を明記しています。
一次 = 発表機関の原文 · 導出 = 公式資料2件から算出 · 二次 = それを引用した資料
居住者の所得税率表(Individual income tax rates — residents)
$0–18,200 非課税、$18,201–45,000 15%、$45,001–135,000 $4,020+30%、$135,001–190,000 $31,020+37%、$190,001以上 $51,370+45%
2026-08-19確認 · 次回2027-07-15
非居住者の所得税率表(Foreign resident tax rates)
$0–135,000 30%、$135,001–190,000 $40,500+37%、$190,001以上 $60,850+45%(非課税枠なし)
2026-08-19確認 · 次回2026-10-01
LITO(低所得者税額控除)、居住者のみ
最大 $700($37,500以下)。$37,501–45,000 は1ドルにつき5セント、$45,001–66,667 は1ドルにつき1.5セント逓減
2026-08-19確認 · 次回2027-07-15
メディケア税の低所得軽減しきい値(単身)
下限 $28,011 / 上限 $35,013(上限=下限×1.25)、移行区間は10%の shade-in
2026-08-19確認 · 次回2026-10-01
メディケア税率(居住者のみ、上限超の区分)
2%
2026-08-19確認 · 次回2027-07-15
HELP/HECS 返済しきい値・料率(2026–27年度、限界税率方式)
$69,528以下は返済なし、$69,529–129,717 15%、$129,718–186,050 $9,028+17%、$186,051以上は総所得の10%
2026-08-19確認 · 次回2027-07-15
ワーキング・ホリデー(417/462)の税率 — 本文の参考用で計算には未反映
$0–45,000 15%, $45,001–135,000 $6,750+30%, $135,001–190,000 $33,750+37%, $190,001+ $54,100+45%
2026-08-19確認 · 次回2026-10-01
退職年金拠出(Superannuation Guarantee)率 — 本文の参考用で計算には未反映
12%(2025-07-01の最終引き上げ後は据え置き)
2026-08-19確認 · 次回2027-07-15
参考文献
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最終更新日: 2026-08-22