カナダ給与手取り計算機(2026年)
同じ年収でも、アルバータ州とオンタリオ州では手取りが変わります。カナダは連邦税の上に州税を重ねる仕組みだからです。居住州を選ぶと、2026年基準で2層の所得税とCPP・CPP2・EIをすべて差し引いた手取り額を計算します。
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連邦税・州税・CPP・EIを差し引く前の年間総支給額です。
オンタリオ州・BC州・アルバータ州のみ対応しています。ケベック州や他の州については下記「この計算機の限界」をご覧ください。
結果
- 年間手取り額
- 56,366C$
- 月間手取り額
- 4,697C$
- 年間控除合計
- 18,634C$
- 連邦所得税
- 9,268C$
- 州所得税
- 3,997C$
- CPP拠出金
- 4,230C$
- CPP2拠出金
- 16C$
- EI保険料
- 1,123C$
- 結果
- これはオンタリオ州・BC州・アルバータ州のみを対象とした2026年基準の概算です。オンタリオ健康保険料(Ontario Health Premium)・BC州の低所得減税・RRSP控除・ケベック州独自のQPP/QPIP制度は反映していません。実際の給与明細とは異なる場合があります。
federal 9,268 + provincial 3,997 + CPP 4,246 + EI 1,123 = 18,634; 75,000 − 18,634 = 56,366
内訳
各項目が全体に占める割合です。
- 年間手取り額
- 56,365.7375.2%
- 所得税(連邦+州)
- 13,264.7517.7%
- 社会保険料(CPP・CPP2・EI)
- 5,369.527.2%
計算の仕組み
計算式年間手取り額 = 額面年収 − (連邦税 + 州税 + CPP + CPP2 + EI)。
カナダの求人票に書かれた給与がそのまま銀行口座に振り込まれることはありません。毎回の給与から連邦税・州税という2層の所得税に加え、カナダ年金制度(CPP)と雇用保険(EI)への強制拠出が天引きされます。この計算機は、対応する3州(オンタリオ州・BC州・アルバータ州)の2026年基準の公表税率でその差を試算します。
連邦税と州税の2層構造
カナダの所得税は実質的に2つの制度が重なった構造です。連邦政府は5段階の累進税率表(2026年は14%から始まり258,482ドル超で33%)を課税所得全体に適用し、各州はそれぞれ独自の税率表を同じ所得に適用します。両方とも基礎控除(Basic Personal Amount、BPA)を差し引きますが、これは所得控除ではなく最低税率で計算した税額控除です。連邦のBPAは純所得181,440ドルまでは16,452ドルで、258,482ドルまで直線的に14,829ドルまで減額されます。この計算機が扱う3州のBPAはそのような逓減がない固定額です。
CPPとEIの保険料
CPPは2019年に始まった改革により、給付の所得代替率を25%から33%へ引き上げる過程で2段階構成になりました。従来分(CPP1)は基礎控除3,500ドルから年間最大課税対象所得(YMPE、2026年は74,600ドル)までの所得に5.95%かかります。2024年から段階的に導入されたCPP2は、YMPEから追加上限(YAMPE、2026年は85,000ドル)までの所得に4.00%を追加で課します。EIは2026年の保険料上限所得(MIE)68,900ドルまでの所得に1.63%かかり、年間最大保険料は1,123.07ドルです。
税率表の読み方
カナダの税率表でよくある誤解は、最高税率が全所得に適用されると考えることです。実際には各段階はその段階に該当する所得部分にのみ課税されるため、たとえば12万ドルの所得者でも全額が最高税率で課税されるわけではありません。限界税率(次の1ドルにかかる税率)は常に平均税率(総税額÷総所得)より高く、この計算機の手取り・所得税・社会保険料の内訳はその平均税率を可視化します。
この計算機が扱う3州は税負担が大きく異なります。アルバータ州は州の売上税がなく税率構造も最も単純で(8%~15%の6段階、サーチャージなし)、基礎控除額も全州で最高(22,769ドル)のため高所得者に有利になりがちです。オンタリオ州は州税額が5,818ドル・7,446ドルを超えると2段階のサーチャージが上乗せされ、実効最高税率は公表税率13.16%を大きく上回ります。ここで扱わないケベック州はさらに大きく異なり、CPP・EIの代わりに独自のQPP(ケベック年金制度)・QPIP(ケベック親保険制度)を運用し、連邦税も独自の減額措置(abatement)で調整されます。この構造差はこの調査では検証・反映できませんでした。
この計算機の簡略化
この結果を使う前に知っておくべき簡略化もあります。オンタリオ健康保険料(オンタリオ州居住者に年最大900ドル)、BC州の低所得税額減免、RRSP拠出などの所得控除、自営業者のCPP(従業員の2倍の料率)は反映していません。正確な金額は必ず実際の給与明細やCRAの公式計算機と照らし合わせてください。
日本の制度との違い
日本との最大の違いは、税が2層に分かれていることです。日本の所得税は全国一律で、地方分は住民税として別建てになりますが、カナダでは州ごとに税率表も基礎控除額も違い、同じ額面でもアルバータ州とオンタリオ州では手取りが目に見えて変わります。州をまたぐ引っ越しは、それ自体が税務上の判断になります。
雇用主がどの控除を適用するかは、TD1という書類で決まります。入社時に連邦のTD1 Personal Tax Credits Returnと、住む州・準州のTD1を記入します。CRAは2026年分として13の州・準州それぞれに専用の様式を公開しています。給与計算はここで申告した控除に対して源泉徴収を行うため、2社に同じ控除を同時に申告すると年間で徴収不足になり、翌年の申告で不足分を納めることになります。
年金については、日本年金機構の一覧でカナダは保険期間の通算まで含む協定国に分類されています。駐在中の二重加入を避けたうえで、加入期間を将来の受給資格の判断に生かせる余地があるという意味で、二重加入の防止のみを定めた英国・韓国との協定とは扱いが異なります。ただしケベック州はCPPではなくQPPを運用しているため、州によって適用関係が変わる点には注意が必要です。
1年単位での比べ方
この試算は1回の給与明細ではなく1年単位で比べるのが正しい使い方です。CPPとEIは年間上限に達すると徴収が止まるため、年末に近づくほど手取りが増えます。日本の社会保険料は毎月の標準報酬に対してかかり、こうした段差が生じないので、初めてカナダで働くと計算違いを疑いがちです。この計算機は年額をならして示すため、その段差は結果に現れません。
| 額面年収(C$) | 月間手取り額(C$) | 月間控除合計(C$) | 手取り率(%) |
|---|---|---|---|
| 30,000 | 2,098 | 402 | 83.9 |
| 40,000 | 2,710 | 624 | 81.3 |
| 55,000 | 3,623 | 960 | 79.0 |
| 70,000 | 4,428 | 1,405 | 75.9 |
| 100,000 | 6,122 | 2,212 | 73.5 |
| 150,000 | 8,613 | 3,887 | 68.9 |
よくある質問
- CPPとCPP2、なぜ2つのラインに分かれているのですか?
- 2019年に始まった改革でカナダ年金制度の所得代替率が25%から33%へ段階的に引き上げられています。CPP2はそのための仕組みで、2024年から段階導入された追加拠出(4.00%)で、年間最大課税対象所得(2026年74,600ドル)から上限85,000ドルまでの所得にかかります。74,600ドルを超えて稼ぐ人にのみ影響します。
- 同じ年収なのに、オンタリオ州・BC州・アルバータ州で州税がこんなに違うのはなぜですか?
- 各州が独自に税率・所得区分・基礎控除を定めているためです。アルバータ州は基礎控除が最も高くサーチャージもなく、BC州はサーチャージもアルバータ州のような高い基礎控除もなく、オンタリオ州は州税額が5,818ドル・7,446ドルを超えると2段階のサーチャージが加算されます。数字が違うだけでなく、制度そのものが異なります。
- 自分の所得区分の税率より実際の負担が軽く感じるのはなぜですか?
- カナダの税率区分は累進制であり、全所得に一律の税率がかかるわけではありません。各区分はその部分にのみ課税されます。平均税率(総税額÷総所得)は常に限界税率(最後に稼いだ1ドルにかかる税率)より低くなります。この計算機は手取り額と額面を対比することで平均税率を示します。
- なぜケベック州を選べないのですか?
- ケベック州はCPP・EIの代わりに独自のQPP(ケベック年金制度)・QPIP(ケベック親保険制度)を運用し、連邦税も独自の減額措置で調整されます。これは構造的に異なる計算であり、今回の調査では検証・反映できなかったため、他の9州・3準州とともに対象外としています。
- オンタリオ健康保険料など、州独自の負担は含まれますか?
- 含まれません。オンタリオ健康保険料(オンタリオ州居住者に年最大900ドル)やBC州の低所得税額減免はこの計算機に反映していないため、実際の給与明細とはわずかに異なる場合があります。
- RRSPに拠出している場合はどうなりますか?
- この計算機はRRSP拠出などの所得控除を反映せず、額面年収そのものに課税します。RRSPに拠出している場合、実際の課税所得(したがって実際の税額)はここに示した値より低くなります。
- 年末に近づくと手取りが増えるのはなぜですか?
- CPPとEIは年間の上限額に達すると、その時点で徴収が止まるからです。所得税は続きますが、この2行が消えるぶん手取りが増えます。日本の社会保険料は毎月の標準報酬に対してかかるためこうした段差が生じず、初めて経験すると給与計算の誤りに見えます。この計算機は年額ベースで平均するため、その段差は結果に表れません。
- カナダで働いた期間は日本の年金の受給資格期間に通算できますか?
- 日本年金機構の一覧では、カナダは保険期間の通算まで含む協定国に分類されています。英国・韓国のように二重加入の防止だけを定めた協定とは異なり、加入期間を将来の受給資格の判断に生かせる余地があります。ただしケベック州はCPPではなく独自のQPPを運用しているため、勤務先の州によって適用関係が変わることがあります。
この計算に使用した数値
この計算機が現在適用している時点依存の数値です。各値について出典と最終確認日を明記しています。
一次 = 発表機関の原文 · 導出 = 公式資料2件から算出 · 二次 = それを引用した資料
連邦所得税の税率表(5区分)
14% / 20.5% / 26% / 29% / 33%、区分境界 58,523 / 117,045 / 181,440 / 258,482
2026-08-19確認 · 次回2027-01-31
連邦基礎控除(BPA)の逓減
最大 16,452 / 最小 14,829、純所得 181,440~258,482 の区間で線形に逓減
2026-08-19確認 · 次回2027-01-31
CPP の基礎控除・YMPE・YAMPE・CPP1/CPP2 料率
基礎控除 3,500 / YMPE 74,600 / YAMPE 85,000 / CPP1 5.95% / CPP2 4.00%
2026-08-19確認 · 次回2026-12-01
EI(雇用保険)の被用者料率・保険料算定上限(MIE)
料率 1.63% / MIE 68,900
2026-08-19確認 · 次回2026-10-01
オンタリオ州の税率表(5区分)・基礎控除・付加税(surtax)
5.05%~13.16%、区分境界 53,891 / 107,785 / 150,000 / 220,000、BPA 12,989、付加税 5,818(20%)・7,446(36%)
2026-08-19確認 · 次回2027-01-31
ブリティッシュコロンビア州の税率表(7区分)・基礎控除
5.6%~20.5%、区分境界 50,363 / 100,728 / 115,648 / 140,430 / 190,405 / 265,545、BPA 13,216
2026-08-19確認 · 次回2027-01-31
アルバータ州の税率表(6区分)・基礎控除
8%~15%、区分境界 61,200 / 154,259 / 185,111 / 246,813 / 370,220、BPA 22,769
2026-08-19確認 · 次回2027-01-31
参考文献
- Canada Revenue Agency — Canadian income tax rates for individuals
- Canada Revenue Agency — CPP contribution rates, maximums and exemptions
- Canada Employment Insurance Commission — 2026 EI premium rate announcement
- Government of British Columbia — Personal income tax rates
- Government of Alberta — Personal income tax
- Canada Revenue Agency — TD1 Personal Tax Credits Return forms (2026)
- 日本年金機構 — Status of Social Security Agreements
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最終更新日: 2026-08-22