英国 手取り額計算機(UK Take-Home Pay)

英国の給与明細には、日本の住民税にあたる欄も、年末調整に相当する手続きもありません。額面年収・年金拠出率・学生ローンのプランから、2026/27年度(イングランド・ウェールズ・北アイルランド)の毎月の手取り額を試算します。

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入力

所得税(Income Tax)・国民保険(National Insurance)などを差し引く前の年間総支給額です。月給しかわからない場合は月給×12を入力してください。

課税前に天引きされる「net pay」方式の職場年金を前提としています。未加入の場合や年金天引きなしの手取りを見たい場合は0%のままにしてください。

ご自身のローンに合うプランを選択してください。不明な場合はStudent Financeのアカウントで確認を — プランを誤るとしきい値と税率の両方が変わります。

結果

月の手取り額
2,393.30£
年の手取り額
28,720£
控除合計
6,280£
所得税(Income Tax)
4,486£
国民保険(National Insurance)
1,794£
結果
これは年単位の概算であり、実際の給与明細の代わりにはなりません — 実際のPAYE源泉徴収は各支給期間ごとに累積方式で計算されるため、ボーナス月や不規則な給与ではこの試算と差が出ることがあります。

£12,570 (−£0) → £22,430 → £4,486 / £1,794 / £0 / £0 → £28,720

内訳

各項目が全体に占める割合です。

額面年収35,000
年の手取り額
28,72082.1%
所得税(Income Tax)
4,48612.8%
国民保険(National Insurance)
1,7945.1%

計算の仕組み

計算式手取り額 = 額面給与 − 所得税 − 国民保険 − 学生ローン返済額 − 年金拠出額。

英国の求人・雇用契約書に書かれた給与がそのまま銀行口座に振り込まれることはありません。PAYE(Pay As You Earn)方式の給与明細では、まず所得税(Income Tax)と国民保険(National Insurance)が天引きされ、該当する場合はさらに職場年金の拠出と学生ローンの返済も差し引かれます。この計算機は、2026年8月にgov.ukで直接確認した料率をもとに、2026/27年度(2026年4月6日〜2027年4月5日)のイングランド・ウェールズ・北アイルランド(rUK)の納税者について、その差を試算します。スコットランドは3段階ではなく6段階のまったく別の所得税制度を使うため、この計算機の対象外です。

所得税の計算方法

所得税はまず基礎控除(Personal Allowance)£12,570が非課税となり、そこから総所得£50,270までは基本税率20%、£125,140までは高税率(higher rate)40%、それを超えると最高税率(additional rate)45%が適用されます。これらの区分は基礎控除を全額受けられる前提の額面所得で示されることが多いですが、実際のルールは控除後の課税所得に対するものです。控除自体が縮小し始めると、この違いが重要になります。課税所得ベースで見ると、基本税率(20%)の区分自体の幅は£37,700で、高税率(40%)の区分は課税所得£112,570まで続きます。よく見る£50,270や£125,140という数字は、この境界に£12,570の基礎控除を足し戻しただけの額面所得での表現にすぎません。

この計算機が最も強調する注意点は、その控除の縮小です。調整後純所得が£100,000を超えると、その超過額£2ごとに基礎控除が£1ずつ減り、£125,140でちょうどゼロになります。この範囲ではすでに40%の高税率が適用されているため、追加の所得£2は二重の影響を受けます。それ自体が40%課税され、同時に非課税だったはずの£1の控除も40%課税ゾーンに引き込まれます。上限額(Upper Earnings Limit)を超えた国民保険2%も加わり、£100,000〜£125,140の大部分で実効限界税率は約62%になります。これは£125,140を大きく超えてから始まる名目上の最高税率45%より高い数字です。この区間は俗に「60%の税の罠」と呼ばれ、この計算機の利用者が自分の給与明細について最もよく理解したいと考えている点です。

国民保険と学生ローン

国民保険(National Insurance)は所得税とは別の制度で、State Pension(国の年金)の受給資格などを賄う仕組みが異なり、挙動も違います。被用者のClass 1国民保険は、Primary Threshold £12,570までは0%、そこからUpper Earnings Limit £50,270までは8%、それを超えると2%になります。高所得部分ほど税率が下がるという、所得税とは逆の動きをするため、自分で手取りを計算しようとした人がよく混乱する点です。

学生ローンの返済は通常の借入金の返済というより、対象を絞った卒業生向け税金のような仕組みです。残高にかかわらずプラン別のしきい値を超えた所得に一定の割合を払い、未返済分は一定年数後に免除されます。Plan 1・Plan 2・Plan 4(スコットランド在住学生向け)・Plan 5はいずれもそれぞれのしきい値を超えた所得の9%(2026/27年度で最も一般的なPlan 2のしきい値は年£29,385です)、Postgraduate Loanはより低いしきい値を超えた所得の6%です。さらにPostgraduate Loanは学部課程のプランと同時に返済でき、それぞれ独立して計算されます。この計算機は一度に1つのプランしか選べないため、学部と大学院の両方を同時に返済している場合は、2回計算して返済額を合算してください。

この計算機が単純化した点

いくつかの単純化点があります。実際のPAYE源泉徴収はきれいな年間額ではなく各支給期間ごとの累積方式で計算されるため、ボーナスや不規則な給与では実際の月次控除がこの試算とずれることがあります。年金拠出は課税前に天引きされる「net pay」方式を前提としており、給与自体を下げるsalary sacrifice方式(国民保険も軽減される)は想定していません。またMarriage AllowanceやGift Aidなど、技術的には£100,000の逓減計算に影響しうる他の控除・優遇も反映していません。

日本の制度との違い

日本から移った人がまず戸惑うのは金額よりも暦です。英国の課税年度は4月6日に始まり翌年4月5日に終わるため、1月から12月で区切る日本の感覚とはずれます。年末調整にあたる手続きもありません。PAYEが給与のたびにその年の累積で税額を計算し直すため、大半の被用者は確定申告(Self Assessment)を一度も出さずに済みます。代わりに4月を過ぎると勤務先からその年の源泉徴収をまとめたP60が渡され、年の途中で退職したときはP45を受け取って次の勤務先に提出します。

給与明細に「ない」項目にも目を向けてください。英国には住民税に相当する所得ベースの地方税がありません。地方財源はカウンシルタックスが担いますが、これは所得ではなく住居の評価帯に対して世帯が納めるもので、給与からは引かれません。健康保険料の欄もありません。NHSは一般税収と国民保険で賄われるため、独立した保険料の行が生じないからです。日本の給与明細と控除率だけを並べても比較にならないのはこのためです。

年金の扱いも確認しておく価値があります。日本年金機構が公表している社会保障協定の一覧では、英国・韓国・中国・イタリアの4か国は「二重加入の防止のみ」で、保険期間の通算は対象外とされています。派遣期間中にどちらか一方の制度にだけ加入すればよいという効果はありますが、ドイツやスペインとの協定のように英国の加入期間を日本の年金の受給資格期間へ足すことはできない、という意味です。滞在が長くなるほどこの差は効いてきます。

給与明細との突き合わせ

試算した金額は、最初の給与明細と突き合わせてはじめて意味を持ちます。見る順番は、タックスコード、年金の欄がnet payかsalary sacrificeか、学生ローンの行があるかどうかの3つです。渡英1年目は日本での所得と英国での所得が別々の課税年度にまたがるので、それぞれの国の年度区切りで金額を整理しておくと、あとの手続きがずっと楽になります。

額面年収別の月の手取り額(年金拠出なし・学生ローンなし、2026/27年度rUK基準)
額面年収(£)月の手取り額(£)年の手取り額(£)手取り率(%)
20,0001,49317,92089.6
25,0001,79321,52086.1
30,0002,09325,12083.7
40,0002,69332,32080.8
50,0003,29339,52079.0
60,0003,78045,35775.6
75,0004,50554,05772.1
100,0005,71368,55768.6

よくある質問

なぜ収入が増えると国民保険の税率は下がるのに、所得税は上がるのですか?
別々の制度で別々のルールだからです。所得税は全体として累進的になるよう段階的に上がります(20%→40%→45%)。国民保険はUpper Earnings Limit(£50,270)までは8%ですが、それを超えると2%しかかかりません。これは長年の政策上の選択であり間違いではなく、そのため高収入になるほど国民保険が収入に占める割合は実際には下がり、所得税の割合は上がります。
£100,000の税の罠とは何ですか?なぜそこでの実効税率は約60〜62%になるのですか?
調整後純所得£100,000〜£125,140の間では、追加所得£2ごとに基礎控除が£1減ります。この範囲ではすでに40%の高税率が適用されているため、追加の£2は直接40%課税され、さらに控除がなくなった£1も新たに40%課税対象になります。国民保険2%も合わせると、この区間の所得には約62%がかかる計算になります。名目上の最高税率45%は£125,140をかなり超えてから始まるにもかかわらずです。
この計算機はスコットランドにも使えますか?
いいえ。スコットランドはScottish Rate of Income Taxという独自の所得税率・区分(3段階ではなく6段階、しきい値も異なる)を定めているため、rUK(イングランド・ウェールズ・北アイルランド)の税率で作られたこの計算は正確ではありません。国民保険と学生ローンのルールは英国全体で共通ですが、所得税だけが異なります。
学部の学生ローンとPostgraduate Loanの両方があります。どう計算すればいいですか?
この計算機は一度に1つのプランしか選択できませんが、実際にはPostgraduate LoanはPlan 1・2・4・5のいずれかと同時に返済でき、それぞれ独自のしきい値と税率で独立して計算されます。学部のプランで1回、Postgraduate Loanを選んでもう1回計算し、2つの返済額を合算してください。
この結果は実際の給与明細と正確に一致しますか?
近い値にはなりますが、完全には一致しません。実際のPAYE源泉徴収はきれいな年間試算ではなく、週給・月給などの各支給期間ごとに累積方式で計算されるため、ボーナスや不規則な給与、年の途中での昇給があると実際の月次控除はずれることがあります。この計算機は課税前天引きの「net pay」年金を前提としており、salary sacrificeやMarriage Allowance、Gift Aidなどの優遇は反映していません。
英国の給与明細に住民税や健康保険料の欄がないのはなぜですか?
英国には所得に応じた地方税がなく、日本の住民税にあたるものは給与から引かれません。地方自治体の財源はカウンシルタックスで、住居の評価帯に応じて世帯が別に納めます。医療についてもNHSは一般税収と国民保険(National Insurance)で賄われるため、健康保険料という独立した控除欄が存在しません。そのぶんが国民保険の料率に含まれていると考えるほうが実態に近く、日本の明細と控除率だけを並べても比較にはなりません。
英国で働いた期間を日本の年金の受給資格期間に通算できますか?
日本年金機構の公表資料では、日英社会保障協定は二重加入の防止のみを定めるものとされており、保険期間の通算は含まれていません。派遣期間中にどちらか一方の制度へ加入すればよいという効果はありますが、英国で納めた期間を日本の受給資格期間に足すことはできません。ドイツ・スペイン・カナダなど通算まで含む協定国とは扱いが異なります。

この計算に使用した数値

この計算機が現在適用している時点依存の数値です。各値について出典と最終確認日を明記しています。

一次 = 発表機関の原文 · 導出 = 公式資料2件から算出 · 二次 = それを引用した資料

参考文献

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最終更新日: 2026-08-22

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